その8・・Acer RevoCenter RC111(WHS2011)の導入





購入

WHS2011が出たものの、DEがないとか、対応した専用サーバー機が出ない等で、実際に導入もないまま半年が過ぎた。そんな時、突然AcerからWHS2011をプリインストールした、新しいミニサーバ機が発表された。RevoCenter RC111。昨年買った、EasyStoreと基本設計は同じ。搭載するATOMがデュアルコアになり、外観が直線系のデザインになったが、構造的には大きな変更は無い。価格が4万を下回っており、興味をそそられていたところ、sofmapでさらに15%のポイント付加で予約を受け付けていたので、思わず衝動発注をしてしまった。


直線形の筐体のREVO RC111


箱出し

発売日の翌日に、現物到着。sofmapは意外と梱包がしっかりしていて、外箱に直接送り状を貼るようなことはなかった。箱は前作同様に、カラー印刷された結構気合いの入ったもの。中身はシンプルで、パワーケーブル、LANケーブル、セットアップCDなど。本体を箱から取り出し、内部パーツを確認するために、早速分解。HDDは、SeagateのBaracuda 7200.11の1TB。こんな中途半端なHDD載せるなら、ディスクレスにしてその分安くしてくれ・・と言いたくもなるが、HDD高騰のご時世なので、今回はあった方がいいかな。メモリはDDR3 800のSO-DIMM。挿さっていたのは、ELPIDAの1333のタイプ。電源は前作同様LITEON。ファンも前作同様、排気方向に12cm角のものが一つ搭載。USB端子は背面が減って、2基だけになってしまった。その他で驚いたのは、隠しのVGA端子がマザー上に載っていて、バックパネルにも切りかきがあり、簡単に外に出せるようになっていること。これは嬉しいポイント。さらに言うと、後で判ったのだが、VGAの隣には、USB3.0の端子まで隠されていた。


今回も、派手目な印刷の箱


梱包の封印シールには何度も貼り直した跡が・・。
ソフトとかの入れ替えが、結構土壇場であったのか・・?


添付物は必要最小限のシンプルな構成


前面から


背面から


バックパネル


添付物は必要最小限のシンプルな構成


HDDのリムーバブルベイ



HDDはseagateの薔薇11


メモリはELPIDAのDDR3-SoDIMM


電源はLITEONの80PLUS品


12cmファンが排気方向で一基


VGA端子がマザーには付いている


USB3.0の外部ポートも隠されていたりする。Etron製チップ



パーツ換装

HDDは、7200rpmだと熱や騒音で問題があるので、5400rpmのものに換装。しかし、HDD高騰のご時世、新規で内蔵HDDを買うのは厳しい。バックアップ用のHDDの中身を、先日購入したWDの外付けに移し、WD20EARSとWD25EZRSを各一台確保した。メモリは、kingstonのDDR3 1333の2GBを一枚増設。後で判ったのだが、メーカースペックだとmax 4GBとなっているのだが、実際には4GBx2の8GBまでいけるらしい。まあ、それほどメモリが必要となる訳ではないのだが・・。今回は、ファンの増設は見送り。ちょっとメモリに干渉しそうなので。12cmのファンは、前回吸気方向に変えたが、今回はそのままで暫く様子を見る事にする。


HDDはWesternDigitalの5400rpmのものに換装


メモリは、KingstonのDDR3のものを増設


リカバリーセットアップ

HDDを換装したので、システムはリカバリーセットアップ。この操作は、クライアントPCから行う。手順としては、

(1)クライアントPCで添付CDのセットアップを起動する。
(2)セットアッププログラムで、リカバリー用のUSBメモリを作成。(8GB以上のメモリ必要)
(3)USBメモリをREVOに挿し、起動。(起動の際、ピッと鳴った直後に、背面のピン穴にピンを差し込む)
(4)クライアントPCからリカバリープログラムを先に進める。

と言った手順になる。
が、ここでトラブル発生。(4)で、REVOを見つけてくれるのだが、プログレスバーが途中まで伸びたところで止まってしまい、一晩経っても先に進まない。USBメモリを変えても駄目で、途方に暮れる。仕方ないので、背面のVGAポートの切り欠きを抜いて、ディスプレイを接続して、どこで止まっているのか診断することにした。
見てみると、起動時にServerRecovery.exeがエラーを発して止まっている。メッセージはメモリ関連。USBメモリなのか、DRAMなのか良くわからない。DRAMも1枚にしたり交換したりしたけど駄目。もう一枚、USBメモリを試すけど、これも駄目。本体そのものの不具合かどうか見極めるために、通常のWHS2011のISOファイルを、MS謹製のUSB DVDダウンロードツールで起動USBメモリにしてセットアップをしてみる。すると、エラーもなくセットアップが始まる。しかし、これは途中でNICのドライバがないために中断してしまい、断念。万策尽きたか・・というところで、もう一度・・と、もう一つ、別のUSBメモリを試してみたところ・・な、なんとうまく先に進んだ!USBメモリの相性だったのか・・。しかし、SiliconPower、hp、TDKとメジャーメーカーで駄目なんてあるんだろうか??ちなみにうまくいったのはTranscend。まあ、うまくいったから結果オーライだけど。この後のセットアップは、HDDの初期化にかなりの時間を要したものの、無事完了。ほっと胸を撫で下ろす・・。


リカバリー用のセットアップをクライアントから起動


USBメモリを初期化して、ブートUSBを作成する


出荷時の状態にリセットを選択


リカバリー時はUSBメモリからブートさせる


途中でリセットピンを挿入(起動プライオリティを変える)


うまくいかないので、背面のVGAポートを使う


メモリー関連のエラーであることが判明


通常のセットアップでは、NICドライバのエラー


4種類のUSBメモリを試して、Transcendでようやくうまくいく


問題が解決して、セットアップが進む




データの移行

EasyStoreに保存されていたデータを、Revoに移行。WHS2011は、DEが使えない。しかし、データのハンドリングや設定が細かくできるため、WHS v1より使い勝手の良い部分も多い。共有フォルダの実体を置く物理HDDの場所を移動する際も、パスを変更するだけで、実データの移動も全て自動で処理してくれる。また、WHS2011では、サーバ内のデータのバックアップだけでなく、シャドウコピーが利用できるのも良い。データの重要性によって、二重・三重のデータ保護を仕掛けられる事になる。また、自分的には、DEであるが故のデータアクセスの遅さや、どこに実体があるか判らない不安、等が払拭されるのもありがたい。実際に、WHS v1の時には、DLNA配信でのTV再生中に、激しくコマ落ちする事があったのだが、WHS2011ではそのような現象に遭遇した事はない。自由に容量を拡張できるDEの手軽さ、柔軟さは理解するが、単体のHDDの容量も大きくなってきているので、DEであるが故の必然性も減っていくだろう。
大容量HDD・・と言えば、余談だが、WHS2011では、2TB以上のパーテーションは扱えないようになっているようだが、それはダッシュボードからディスクの管理を行う場合の制約のようで、通常の記録域の管理からGPTで領域確保を行えば、2TB以上のパーテーションも生成できる。2TB制限は、クライアントのバックアップ機能が、2TBで絞られている事にも起因しているようだが、自分の使い方ではクライアントバックアップは使用しないので、問題はない。
最終的な運用設定としては、4台のHDDを設置。2TBの一台は、システムパーテーションと音楽等のデータを格納するパーテーションを作成。このパーテーションはシャドウコピーを有効にし、さらに音楽フォルダはバックアップの指定を行う。2.5TBのHDDはTV録画保存用に。1TBのHDDは、TV録画のトランスコード後のファイル格納用に。そして、もう一台、1TBのHDDはバックアップ用に指定。ちなみに、バックアップ用HDDは、通常のディスクとしては認識されず、不可視となる。バックアップは時間を指定できるので、4:00と14:00に設定する。ちなみに、バックアップはフォルダ単位での指定が可能。シャドウコピーは、パーテーション単位での指定しかできない。




ハードディスクの構成


2.5TBのHDDでも、ディスクの管理から初期化できる


バックアップの時刻を設定


バックアップするフォルダを指定


シャドウコピーの有効化


ソフトウェアのセットアップ

ソフトウェアは、以前のWHSで使っていたものを踏襲。Lights-out、Twonky Media、ASSET UPnP、Squeezebox Serverといったところか。Lights-outはプリインストールされてるのをそのまま使用。ASSETは2011対応のv4のベータ版をインストール。TwonkyとSqueezeboxは、WHS版ではなく普通のWinows Server版をインストール。ソフトウェアに関しては大きなトラブルはなかったのだが、一つだけ、Twonkyの挙動が少しおかしい。クライアントから、サーバ上のコンテンツを見ると、日付の認識がおかしくなっていて、例えば、2011/12/01を、2012/01/11のように認識される。バグにしては、すぐに気づきそうなもんなのだが、日本固有の症状なのだろうか・・?


Lights-outはコニュニティ版


Twonkyは通常のWindows版


ASSET UPnPは、まだベータ版


SqueezeboxもWindows版




完成

ソフトウェアのインストールが完了し、運用を開始。先にも書いたが、以前のWHSと比べての大きなメリットは、DLNAクライアントからの再生時に、コマ落ちすることが無くなった事。これは、何気に凄く嬉しい。やはり、DEの悪影響だったのだろうか?今の環境では非常に安定した再生が可能だ。デメリットは、謎のTwonkyの日付の誤認識。これは、Twonkyのバージョンにも依存しているのか?とりあえず、2012年以降は正常になっているような気がするので、このまま様子を見る事にする。
ところで、運用とは全く関係ないが、今回のこのAcerのRC111、何故か市場から姿を消してしまい、どうやらディスコンらしい。マイナーチェンジのためなのか、撤退なのか不明だが、ちょっと気になる。一説によると、この機種は高周波ノイズが耳につくのだが、その対策のためではないか、との噂も流れている。このノイズは、LED表示と連動しており、無灯状態にすると気にならなくなる。巷では独自にコンデンサーを追加して、このノイズ対策を行った強者もいる。自分も、当初テスト運用時はこの高周波ノイズが気になっていたが、HDDをフルに載せて、棚の上に設置したら、あまり気にならなくなった。耳の高さより上になり、HDDの動作音にかき消されているのだろう。
まあ、色々書いたが、このRC111、トータルの満足度はなかなか高い。買い替えて良かった。


おまけ

lights-outで設定していても、スケジュール運行がうまくいってない事が判明。スリープしても、すぐ起きてしまう。ログ見ると、NICが起こしにいってる。NICのプロパティを見ると、"このデバイスで、コンピューターのスタンバイ状態を解除できるようにする"にチェックが入っていたので、外すとうまく動くようになった。