AVシステム・2008
今回のAV環境リニューアルの最終章とも言えるのが、パソコンのオーディオトランスポータ化。iPodやiTunesで音楽を聴くのが普通になり、どうもディスクをいちいち乗せ変えるのは面倒で耐えられなくなってしまった。ということで、なるべくオーディオ機器にマッチしたデザインで、小型、省電力、低騒音を実現したPCを自作することにする。 構成としては、・・・ ・AMD Athlon BE 2350(2.1GHz,L2 512KB×2) ・GIGABYTE GA-MA78GM-S2H ・ANTEC MINUET300 その他、4GBのメモリ、HGSTの低騒音な500GBのHDD、DVD-RWドライブも追加する。OSはVista Ultimate。今回は特殊ハードはないので、64bit版を導入する。 Athlon BE 2350は、TDP45Wの省電力型CPU。最新の4850+の発売を待ったが、発表はされたもののなかなか市場に投入されないので、BE 2350が特価販売された際に思わず購入してしまった。マザーのGA-MA78GM-S2Hに搭載されたAMD780Gチップセットは最新のもので、オンボードグラフィックでDirect X10に対応した現存する唯一のチップセットになる。オンボードグラフィックでありながら強力なBD再生支援機能であるUVDを有する。1万円そこそこの価格ながら、HDMIからIEEE1394、光デジタル出力も搭載するなど、結構豪華な仕様なのも嬉しいところ。余談だがこのマザー、2GBのメモリ二本挿しでトラブルが多いと聞いたのだが、きちんとBIOSを最新のものにしてから載せたら全く問題は生じなかった。 オーディオトランスポータとしての機能の他に、BDトランスポータとしての利用も視野に入れているのだが、BDドライブがこれから本格的に値下がり・・ということで、今回は見送ることにした(Antecのシルバーケースに見合ったベゼルのドライブがない・・というのも大きな理由だが)。取り敢えずの場繋ぎで導入したDVD-RWドライブはLITE-ONの○○○○で、物凄い割安でありながら黒・白・銀の三色のベゼルが標準添付されているのが嬉しいところ。購入したのはVista対応のPowerDVD7が添付されたモデル。PowerDVD7無しだと30000円切の店もあった。ディスク回転音は爆音仕様だが、NeroSpeedで最大回転速度を落としたら、十分許容できる音に治まった。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() サイズから考えると致し方ない ![]() ![]() 次に、PCトラポの要となるDAC部の選定。オーディオ用の専用機を選ぶのか、オンキョーなどのPC用USBオーディオの類にするのか、悩ましいところ。 色々悩んだ挙句、予算の関係もあり、CECのDA53かAUDIOTRACKのDr.DAC2に絞る。前者はオーディオ専用機の顔をしていながら、6万円程度と安価。後者は、どちらかというとDTM用の機材みたいな顔。後者は電源部がACアダプタだったりして、ちょっと心もとない。でも、オペアンプが交換可能だったりと自作市場を見据えた斬新さが興味深い。それと、DA53はUSB接続時に問題がある・・という情報も気になり、値段の安さ(4.5万円くらい)も手伝って最終的にDr.DAC2を選択する。 ![]() ![]() ![]() ![]() 接続は、USBオーディオとしての直結利用の他に、AirMac Expressを介して光デジタル接続する方法も試してみることにする。また、マザーのGA-MA78GM-S2Hには光デジタルアウトも搭載されているため、プロオーディオ業界では標準のASIOドライバを利用した再生も試せそうだ。再生ソフトは、直USBやAirMac経由の場合はiTunes。AISOの場合はプラグインが必要なのでWinAmpとかを利用することになる。 問題は保存ファイル形式。iTunes前提であればAppleロスレスフォーマットでいいんだけど、WinAmpとかだとWAVが無難か・・。でも、WAVってタグを埋め込めないので、使い勝手が悪い・・。悩ましいところだ。AIFFって手のあるんだけど、タグが使えるかは未確認。 ![]() さて、それはそれとして環境構築スタート。PCのセットアップ自体は予想外にあっさり終わる。先に書いたメモリの問題もあっさり回避。BIOSアップデートもUSBメモリから直にできた。ちなみに、キーボードは何年か前に潰れたSUCCESSから購入してたMicrosoftのWCE用のワイヤレスキーボードを使用。マウスはちょっと高いけど気になっていたLogicoolのVX-Nanoを選定。ワイヤレスキーボード&マウスとしては、贅沢な構成。使い勝手も悪くない。唯一マウスとPCの距離が遠いと反応が悪いんだけど、その時の距離は2m程度。こんなもんなのか?? ついでに、無くてもいいんだけど、丁度いいタイミングでLogicoolからdiNovo Miniというメディアセンターに特化した小型キーボードがリリースされたので、これも買ってしまう。 ![]() ![]() ![]() 環境構築が終わり、音出し。はじめ、音が出ないが原因はDr.DAC2のモード設定。外部DACモードになっていた。これをUSBモードに変えると、USBオーディオデバイスとして認識し、音が出た。早速iTunesで最近のお気に入りCD、TRIPLANEの「ココロ晴れたら」をRIP。PCから再生してみると、予想外にいい音でびっくり。試しにSACDプレーヤーからのダイレクトCD再生と切り替えて視聴してみたが、耳があまりよくないのか、違いは良くわからない。多少、CDダイレクトの方が繊細に感じないこともないが、PC再生で全く問題はない。これなら、SACD以外は全てPCに取り込んで再生しても問題ないな・・。 この後セッティングをいじって、AirMac Expressを介した再生と、ASIOドライバを介した再生の違いなどを検証していきたいが、取り敢えずそれはまたの機会に。 ![]() 最後に映像周りの調整。このPCの780GマザーってHDMIが搭載されてて、フルHD解像度で液晶TVに出力ができる。しかし、Dot by Dotの設定にしても、画面にかなり大きな淵が出てしまう。それと、起動後に映像入力切替を行うと、PC入力に戻しても黒画面のまま二度と画面が出なくなってしまう。これは凄く不便だ。この二つの問題で悩む。 前者は比較的すぐに原因が分かり、オンボードRADEONの設定のオーバースキャン設定がデフォルトで15%くらいになっていたのを、0%にしたらDot by Dot表示になった。(アンダースキャン設定というのが正しいような気がするが・・) 一方で、画面が非表示になる件は悩んだ。他の入力は大丈夫なので、PC側の設定のような気がするが、RADEON周りの設定や、Vistaの画面プロパティ周りをいくら探してもそれらしい項目は見つからない。悩んだ挙句、取り敢えず・・ということでRADEONのドライバを最新版に更新。そしたら、あっさりと直ってしまった。余談だが、RADEONのドライバを導入すると、グラフィックと関係ないディスクドライバとかチップセット周りのドライバも一緒に含まれていて、更新されてしまった。確かにATIはAMDに統合されたわけだから、AMDチップセットに関わるドライバが含まれていても不思議はないのだけど、何か変な感じ。いずれにしても、生まれて初めてAMDチップセットのマシンを自宅に導入したので、新鮮な驚きだ。 この二つの問題が解決されてからは、特に大きな不満は感じていない(厳密に言えば、PC起動時にTV入力をPCにしておかないと画面が表示されない・・と言うのがちょっと不便)。CPUパワーはちょっと乏しいのだけど、通常の使用であれば特にストレスを感じることもなく、非常に快適に動作する。AMDだから・・という不安定要素も感じない。非常に満足度の高いPCに仕上がった。ちなみに、このGigaのマザー、XP環境だともっさりする・・というのが定説のようなので、XPで組もうとしている人は注意が必要だ。 ![]() ![]() 最後にネットワーク配線。以前、ホームAV用に無線ブリッジをかませたことあったのだけど、安定性で好ましくなかったので今回は有線LANにする。パソコンのみだがギガビット機器もあるので、5ポートの小さなcoregaのギガハブを購入。安めで金属筐体でデザインの良いものってこの機種くらいしかないため、今回で同じものが3台目の導入になる。このハブから、メディア専用PC、REGZA、AirMac Expressの三台の機器にケーブルが渡る。 メインのハブがあるラックとの渡しは、100均で買ったスパイラルチューブを使用。メインLANのセグメントのCAT-6ケーブルの他、使ってないけど4thMedia(近々ひかりTVに統合)専用のONU直結のLANケーブルと、サブPCのRADEONボードから出力されるコンポーネント出力も配線されている。 ![]() |